フォーマルな場面、または綺麗めな私服で出かけるとき、ジャケットを着ますよね。
男の正装といえばジャケットです。西洋ではもちろん、日本でも文明が開花してからずっと、正装はジャケットが基本です。
人前でパフォーマンスをするマジシャンならなおさら、ジャケットを着ることは多いと思います。
しかし、街行く人々を見ていると、ジャケットを正しく着こなせていない方が多く思われます。（特にリクルートスーツなどを初めて着る若い方）
若いマジシャンを見ていても同じことを感じます。せっかくエネルギッシュでフレッシュな良い演技をしていても服がだらしないとイマイチです。
『オシャレになれ』、とは言いません。
「ジャケットを正しく着こなす」
これは人前に出る以上は最低限のマナーだということです。大人の男として恥ずかしくないよう、超基本的なジャケットの着こなし方を紹介しようと思います。
ジャケットとは？
ジャケットとは、上着の種類で広いカテゴリーであり、さまざまなものが含まれます。
今回はその中でも背広用などのテーラードジャケット（Wikipedia）について言及します。
モーニングコートの裾を切り落とした上着が19世紀のイギリスで生まれました。イギリスではラウンジ・スーツ（Lounge Suit）、アメリカではサック・スーツ（Sack Suit）と呼ばれ、当初は寝間着・部屋着、次いでレジャー用でした。しかし19世紀末から20世紀の初頭にかけてアメリカのビジネスマンがビジネスウェアとして着用し始め、その後世界的に普及したのです。
日本では幕末末期～明治時代以降着られるようになり、だんだんとフォーマルな場面での服装として、制服として、スーツが一般的になりました。そして現代ではカジュアルなオシャレとしても広く普及しています。
元々がフォーマルな衣服なため、多くの歴史や種類、それぞれの着こなし方があるのです。
それは誰も教えてはくれません。しかし、知らないと恥ずかしいことなのです。
1. 二つボタン、どっちも留めていいの？
多くのスーツ、カジュアルジャケットで人気なものは、シングルの２つボタンです。街中でよく見かけるのもこのタイプが多いですね。
シングル２つボタンのジャケットは、ボタンが縦1列で2つ配置されたシルエットのスーツです。3つボタンのスタイルから派生したもので、第1ボタンが3つボタンよりも更に下方に下がっているため胸元のVゾーンが大きく開き、特に頭の大きな人にとってはすっきりと見えるため、シルエットをよく見せる効果があります。
この２つボタン、どちらも留めている方が多い、本当に多い。
実は、第1ボタンのみを留めるのが一般的で下のボタンは留めないのが正解です。
どちらも留めるとシルエットが崩れたり、そもそもどちらも留められないようにボタンがデザインされているタイプもあります。
これは３つボタンの場合も同じで、一番下のボタンは外します。
例外：女性用のスーツや、モード系のジャケットの中には、ボタンを全部留めるようにデザインされたものもあります。
2. ボタンはずっと留めててもいいの？
フォーマルな場面では、普通ボタンを留めていますよね。カジュアルの場合は留めてても外しててもそのときのファッションや気分で自由です。
しかし、座るときはボタンは外すものです。
座ったときにボタンを留めたままだと、生地がよれて型くずれの原因にもなります。
フォーマルな場面で座った際にボタンを外しても、マナー違反だなんてことはありませんよ。
しかし、年配の方でも「座った際にボタンを外すとフォーマルな場面では相手に失礼だ」、と認識している方も少なくありません。
そのため時と場合によっては臨機応変に対応することも大事です。。。
また、証明写真を撮影する際は座っていてもボタンを留めていた方がきちんと写ります。
3. ジャケットの選び方は？
フォーマルでもカジュアルでも、ジャケットはサイズが命です。
自分の体より大きいジャケットを着ていると、まるで制服に着られている中学1年生のようで恥ずかしいですよ！
ポイントは
・着丈はお尻がギリギリ隠れる長さ
数年前からショート丈が流行っていますが、数年長く着ること、パフォーマンスや少しフォーマルな場面に出ることを考えると、長さはスタンダードなものがいいでしょう。
・ボタンを留めてもシワができない程度のサイズ感
ボタンを留めたときにサイズが合ってないと、それが小さくても大きくても前面に大きなシワとヨレができます。
ボタンを留めて大きなシワが無く、Vゾーンに握りこぶしが一つ収まる程度がジャストです。
・肩幅がしっかりと合っていること
これが一番大事です。「ジャケットは肩で着る」なんて言葉もありますからね。
肩の丸みが見えていれば小さい、ジャケットの肩口がつまめてしまったら大きい、ということです。
・袖は手首が隠れ、親指が完全に見えること
手首の骨が見える場合は袖が短く、つんつるてんな印象を受けます。
逆に手まで隠れていると一気にサイズが大きく見えます。
腕をおろしたときにインナーのシャツが袖口から1.5cmほど見える状態がちょうどいいのです。
どうでしょう？
あなたは正しくジャケットを着こなせていましたか？
ジャケットには他にももっといろんな歴史が種類がたくさんあります。
オシャレを極めよう、となったらさらに細かいサイジング、色、生地などを知る必要があります。
今回は最低限のマナーとしての基本を紹介しました。
最高のパフォーマンスには、最適な身だしなみが大切なのです。
